俺、きっとあんたが迎えに来てくれると思ってたんだ
あの時、俺、言っただろ?あんたの翼は、『天使の翼だ』 って
魔晄に煙るミッドガルを、彼方に望む崖の上。
今は既にその姿を失った、二人の天使の物語。
■EVER FREE■
「…結局、帰れなかったな」
ザックスは大きく溜息を吐きながら、ミッドガルの姿を見つめていた。
「約束、果たせなかった」
当たり前の空を怖いと言ったあの娘に、綺麗な空を見せてやると約束した。
「きっと、エアリス、がっかりしたろうな―。随分、待たせちまったのに」
けれど、そんな気落ちをするザックスの背を、ぽん、と叩く者がいた。
「…随分見ない内に、男になったな。ザックス」
アンジールである。その背には、変わらず美しい翼を持って。
「そ!そんなんじゃねーよ!エアリスは、エアリスはだな―!!」
うろたえるザックスを横目に、アンジールは大らかに笑う。そして、
「いいじゃないか。この世界で、そう思える相手と巡り合えた事に誇りを持て」
「…うん、そうだな」
その言葉に、ザックスははっきりと頷いた。
「俺さ、アンジール」
世界の事って、今まで考えてみた事もなかったんだけど。
ザックスのその言葉に、アンジールは黙って聞き入る。
「世界って、こんなに綺麗だったんだなーって、思った」
大好きな、何処までも青い空があって、
果てしなく広がる、緑の大地があって。
「色々あったけど、俺、この世界に生まれて来れて良かった って思うよ」
夢を追いかけて。がむしゃらにここまで来て。
親友もたくさん出来た。もちろん、嫌な奴も確かに居たけど。
「でも、一番良かったって思うのはさ」
ザックスはそう言って、アンジールの方を振り返る。
「あんたに、逢えた事だな」
その言葉を聞いて、アンジールは俄かにその目を丸くした。
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あの時、俺、言っただろ?あんたの翼は、『天使の翼だ』 って
魔晄に煙るミッドガルを、彼方に望む崖の上。
今は既にその姿を失った、二人の天使の物語。
■EVER FREE■
「…結局、帰れなかったな」
ザックスは大きく溜息を吐きながら、ミッドガルの姿を見つめていた。
「約束、果たせなかった」
当たり前の空を怖いと言ったあの娘に、綺麗な空を見せてやると約束した。
「きっと、エアリス、がっかりしたろうな―。随分、待たせちまったのに」
けれど、そんな気落ちをするザックスの背を、ぽん、と叩く者がいた。
「…随分見ない内に、男になったな。ザックス」
アンジールである。その背には、変わらず美しい翼を持って。
「そ!そんなんじゃねーよ!エアリスは、エアリスはだな―!!」
うろたえるザックスを横目に、アンジールは大らかに笑う。そして、
「いいじゃないか。この世界で、そう思える相手と巡り合えた事に誇りを持て」
「…うん、そうだな」
その言葉に、ザックスははっきりと頷いた。
「俺さ、アンジール」
世界の事って、今まで考えてみた事もなかったんだけど。
ザックスのその言葉に、アンジールは黙って聞き入る。
「世界って、こんなに綺麗だったんだなーって、思った」
大好きな、何処までも青い空があって、
果てしなく広がる、緑の大地があって。
「色々あったけど、俺、この世界に生まれて来れて良かった って思うよ」
夢を追いかけて。がむしゃらにここまで来て。
親友もたくさん出来た。もちろん、嫌な奴も確かに居たけど。
「でも、一番良かったって思うのはさ」
ザックスはそう言って、アンジールの方を振り返る。
「あんたに、逢えた事だな」
その言葉を聞いて、アンジールは俄かにその目を丸くした。
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